治療法 | 特色 | 効果 | ||
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対 処 療 法 |
薬物療法 | 初期療法 | 花粉飛散前に薬を使い始めることで花粉飛散期の症状を軽くすることができます。 | @症状の出現を遅らせることができます。 |
投薬療法 | 花粉飛散後に薬を使い始めることで症状を軽くします。花粉症を患っている大半の方がこの治療法です。 | 症状を軽くできます。 但し、眠気などの副作用がある場合があります。 |
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手術治療 | レーザー治療 | 出力の弱いレーザーをお鼻に照射することにより、粘膜の腫れ、むくみをとり、花粉やダニ、家のホコリなどに過敏になった粘膜の感受性を低下させる治療法です。 | 症状に大幅な改善が見られます。 但し、お薬の効き方が人によって異なるように、レーザーの効果や持続期間も人によって異なります。 また、粘膜が元に戻った場合、花粉症の症状を再発する可能性があります。 |
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根 治 治 療 |
原因抗原の除去と回避 | 日常生活において、アレルギーを起こす物質から回避することで症状を軽くします。 外出時にマスク、メガネを使う、外に洗濯物を干さないetc |
こまめに実行することで症状をかなり軽くすることができます。但し、日常生活のシーンをかえる必要があるので徹底することが難しいケースが多いです。 | |
抗原特異的免疫療法 (減感作療法・舌下免疫療法) |
花粉に対して免疫をつける治療法であるため、他の治療法と比較した場合、長期的にわたって治癒が期待できる治療法です。 | 体質の改善により、症状が見られなくなるケースもあります。但し、治療期間が長くなり、重篤な副作用を引き起こす可能性があります。(詳細は後述) |
抗原特異的免疫療法は体にアレルギーを引き起こす原因に対し、
感受性を減少させる治療法で、2種類あります。
日本では1960年代に治療薬が開発されて以降、皮下注射による減感作療法が行われてきました。アレルギーを引き起こす原因となる物質の注射用エキスを少しずつ注射にて体内に入れて、徐々に増やすことにより、体をアレルギーの原因物質に慣れさせる治療法です。
特異的減感作療法
ご自身のアレルギーの原因(例えばスギやヒノキなど)のエキスを少量ずつ体に皮下注射を行い、 徐々に量を増やしてゆき、体にそのアレルギーの原因に対しての感受性を低下させる治療法 です。通常、最低でも1年以上は根気よく注射を続けて頂く必要があります。
非特異的減感作療法
先ほどの「特異的」に対し、こちらは「非特異的」な減感作療法です。つまり、いずれかのアレルギーの原因に関係なく、アレルギー反応を抑制する生体物質(ヒスタグロビン)を6回1クールとして皮下注射することにより、アレルギーを起こしにくい体質にする根本療法です。
日本では2010年からスギ花粉症に対する舌下免疫療法の臨床試験が行われ、有効性が認識されました。そのため、2014年10月に保険診療が開始されます。
アレルギーを引き起こす原因となる物質のスギのエキスを少しずつ経口にて体内に入れて、徐々に増やすことにより、体をアレルギーの原因物質に慣れさせる治療法です。
治療は減感作療法と同様に、最低でも2、3年かけて体質の改善を図る必要性があります。
治療法としては毎日花粉症エキスを口に含みます。
尚、花粉症エキスは低濃度のエキスを少量から投与し、少しずつ増量、高濃度に移行します。
そして、その治療法2〜3年間継続することで治療します。
舌下免疫療法による効果
減感作療法 | 舌下免疫療法 | |
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投薬方法 | 注射 | 経口 |
治療期間 | 2〜5年 | 2〜5年 |
患者様にかかる負担 | 注射による痛みや腫れを伴う | 口に含むため、痛みはありません |
治療効果 | 8割以上の人が改善 | 7割が改善 |
@スギ花粉の症状を軽減したい、もしくは完全に治したいとお考えになられている方
A飲み薬や点鼻薬を使用しても、症状の軽減を感じない方
B飲み薬や点鼻薬を使用しても、眠気などの副作用がひどい方
C長期にわたる治癒を望んでいる方
スギ花粉の治療法であるため、
その他のアレルギーでは効果が期待できない可能性が高いです。
舌下免疫療法で経口投与するエキスはスギ花粉に対して、免疫を作る治療法であるため、ヒノキ・カモガヤ・イネ・ハウスダストなどその他のアレルギー物質では効果は強く望むことができません。 また、複数のアレルギーを持つ方やアレルギー症状が重篤な方に対しても効果に限りがあります。
以下のいずれかがあてはまる方は治療を受けることができません。
□5歳未満の小児の方
□重度の気管支喘息を患っている方
□悪性腫瘍(がん)や、免疫系の病気がある方
以下のいずれかがあてはまる方は治療に際して注意が必要です。
□アレルゲンを使った治療や検査、またはスギ花粉を含んだ食べ物によってアレルギー症状を起こしたことがある方
□気管支喘息の方
□高齢の方
□妊婦の方、授乳中の方
□抜歯や口の中の術後、または口の中に傷や炎症などがある方
□重症の心疾患、肺疾患及び高血圧症がある方
□他に服用中のお薬がある方(非選択的β遮断薬、三環系抗うつ薬 etc)
□全身性ステロイド薬の投与を受けている方
□スギ花粉以外のアレルゲンに対しても反応性が高い方
舌下免疫療法により、全ての患者様が完全に治るわけではありません。
最低でも2年以上の治療を継続していただいたにも関わらず、残念ながら、治療を受けていただいた方の3割の方には効果が見られません。 長期にわたる治療効果を望んだ上で、薬を減らす治療・症状を軽くする治療と捉えていただいてる方のみに推奨しております。
副作用がある治療法であることをご理解ください。
注射による減感作療法のようにアナフィラキシーショックのような重篤な副作用の報告は未だありませんが、体に免疫を作る治療法であるので患者様によっては重篤な副作用が起こる可能性は否定できません。現状で確認されている副作用としては下記のようなものが挙げられます。
□腹痛・嘔吐・下痢
□口腔内もしくは唇のかゆみ・浮腫・感覚異常
□蕁麻疹
□喘息発作
□目や耳のかゆみ
□喉の炎症や違和感
□くしゃみ・鼻水・鼻づまり
□咳
尚、上記のような副作用はよく見られる傾向にあるので、発症当日は経過を観察し、症状が治まらない場合は翌日受診してください。但し、以下のような重篤な副作用がみられた場合は直ちに救急車を要請するなど、迅速な対応をしてください。
□突然のショック症状(蒼白、意識の混濁etc)
□激しい腹痛や嘔吐などの消化器症状
□息苦しさなどの呼吸器症状
□蕁麻疹などの皮膚症状
スギ花粉の飛散が始まる直前から飛散時期に治療を開始しても効果が薄く、安全性が問題視されているため、治療の開始は5月〜12月の間にスタートします。
スギ花粉症治療成分を含んだ舌下錠(シダキュア)を、舌の下に置いたまま、1分間保持した後に飲み込みます。毎日服用し、3年間から5年間継続して服用していただくことで
⇒スギ花粉による花粉症の症状を発症させなくする、
もしくは発症しにくくなります。
シダキュアを使うことにより、舌下免疫療法がさらに手軽になりました。
【従来から使われていたシダトレンとの違い】
シダキュアの服用量
シダキュアを舌の下に置いたまま、1分間保持した後に飲み込みます。その後5分間はうがいや飲食を控えます。
スギ花粉が飛散していない時期に、医師の監督のもと服用します。
最初の1週間は2,000JAU錠を、2週目以降は5,000JAU錠を服用します。
舌下免疫療法はスギ花粉を体に慣れさせることで花粉症の症状を発症させなくする、もしくは発症しにくくする治療法です。
舌下免疫療法にご関心がある方の大多数は「スギ花粉症が完全に治る治療法!」という認識です。
ただ、何度もお伝えしておりますが、この治療法は花粉症が完治する場合もありますが、全く改善されない場合もあります。また、重篤な副作用がある治療法であることを認識していただかなければなりません。
これらの舌下免疫療法の背景をご理解いただいた上で「スギ花粉症を治療するために舌下免疫療法をする!」とお思いになられた方に一つのお願いがあります。
ご自身が「治療を続ける覚悟」を持ってください。
治療を続けるためのワンポイントアドバイス
・毎日薬を滴下するためのタイミングを決める(お風呂を上がった時、歯を磨くときetc)
・1ヶ月に1回通院するための曜日を決める(第2週目の土曜日etc)
歯磨きと一緒です。
習慣にすると、違和感なくなおかつ、無理することなく治療を続けることができます。
「治らない可能性があっても、今の花粉症は本当に辛い。そのためなら辛い花粉症の症状から解放される可能性がある舌下免疫療法をやってみる!」と思われる方は以下のページからご予約ください。
舌下免疫療法を希望される方は
こちらのページよりご予約ください
(初めて当院を受診される方でもご予約することができます。)
尚、「当院での舌下免疫療法の治療を希望される方」かつ「当院でのアレルギー検査の経験がなく、当院以外の医療機関におけるアレルギー検査の結果をお持ちの方」は、受診される際に当院以外の医療機関におけるアレルギー検査の結果をご持参ください。