高感度インフルエンザ迅速検査システムの導入
つるはら耳鼻科では、高感度インフルエンザ迅速診断システムを導入しました。高熱が出て関節も痛く、インフルエンザだと思い受診しても「症状が出て時間が経過していないので陰性でした」、「明日も熱が続くようだとまた来てください」などと言われた方は多いのではないでしょうか。
高感度インフルエンザ迅速検査システムの特徴
今回導入した高感度インフルエンザ迅速検査システムの特徴は、ウイルス量が少ない発症後間もない時期(発熱から3時間以内)でも、約100倍の高感度でインフルエンザウイルスを検出できることです。そして測定結果を自動判定することで、ウイルス量が少ない発症後間もない時期における診断精度が大幅に向上しました。耳鼻咽喉科ではインフルエンザの重症化や二次感染を防ぐために、発症後間もない段階で迅速かつ正確な診断が必要です。今までのインフルエンザ迅速検査キットでは、発症後間もない時期の正確な診断が困難でしたが、この高感度インフルエンザ迅速検査システムを使用することで発症後2~3時間で正確な判定結果を得ることができます。
今までのインフルエンザ迅速診断キットとの違い
インフルエンザウイルスは増殖が非常に速く、1 個のウィルスが24 時間経過すると100 万個になるといわれており、インフルエンザウイルスの増殖を抑える抗インフルエンザウイルス薬は発症後48 時間以内の服用が好ましいです。従来のインフルエンザ迅速検査の問題点は、発熱してから8時間以上経過しないと検査で陽性にならないこともあります。また、発症後間もない時期だと検査結果が偽陰性(実際はインフルエンザにかかっているが陽性にならず陰性となる)で、高熱のまま経過を見て翌日再検査しなければなりませんでした。
当院では発症後間もない時期は高感度インフルエンザ迅速検査システムを使用し、従来の迅速検査でも正確な判定ができると判断した場合(発症後8時間以上経過した場合の検査結果の差はほとんどありません)は患者さんの待ち時間と検査結果までの待ち時間を考慮し、従来の迅速検査を使用いたします。
高感度インフルエンザ迅速検査システムの利点
- 発症後間もない時期(2~3時間後)でもインフルエンザの診断が可能です。
- 発症してすぐだからと検査をせずに経過を見たり、日を改めて2度、3 度と検査を繰り返すことが減ります。
インフルエンザウイルス以外も検査が可能
高感度インフルエンザ迅速検査システムはインフルエンザウイルスだけを診断するのではありません。
下記の感染症に関しても診断が可能です。
- マイコプラズマ
- RSウイルス
- A群ベータ溶血連鎖球菌(溶連菌)
- アデノウイルス
インフルエンザかなと思ったら、早めに受診するようにしてください。