中耳炎Q&A
- 保育園に通っているのですが、中耳炎を繰り返しているのですが大丈夫でしょうか?
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特に保育園に通園をされているお子さんの中で中耳炎に何度もかかったり、治りにくいケースがあります。
基本的には2才までは免疫力がまだ身についていないため、どうしても風邪をもらいやすく、その結果として中耳炎が治りにくかったり繰り返す場合が多いので、保護者の方は大変かと思いますが、状態によっては休園させることもお考えください。
・・保育園にお子様が通園されている保護者の方へ
保育園にお子様が通われている場合、中耳炎に関して以下の方針で診療を行っています。
- 中耳炎が長引いても治療をあきらめない(治療を中断しない)
- 極力事情は考慮する(親が働かない訳にはいかない)
- 一方であまりにもひどい場合には休んでもらうことを勧める。
- 通園しながらの場合は服薬をしてもらい鼻の処置をなるべく続けてもらいながら中耳炎を制御していく。
- 中耳炎になりにくい体になることは出来ますか?
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体質を変えるのは難しいかもしれませんが、周辺の環境を整えてあげることで、免疫力を保ち少しでも中耳炎にならないようにすることは可能です。
例えば・・・、
<乳児の場合>- 母乳で育てる
- 受動喫煙を避ける
- アレルギーがあるかどうかを把握した上で、アレルギーがある場合にはその治療も行う
- バランスのとれた食生活
などが挙げられます。
- 急性中耳炎の場合に入浴をしても良いですか?
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高熱や痛みが強い場合は、入浴および洗髪は避けるようにしてください。 なぜなら入浴や洗髪によって体力が消耗してしまう為です。
従ってたとえ風邪をひいていても、体力のある方には入浴をして頂いてさっぱりとした気分転換を図りそれが病気の治癒につながると考えています。
入浴の影響を受けやすい抵抗力の弱いご高齢の方や乳児の場合は避けて頂いたほうが良いかも知れません。
また、鼓膜切開をした当日はシャワー程度にとどめておいた方が無難でしょう。
- 滲出性中耳炎は体が大きくなると治ると聞いたのですが本当ですか?
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滲出性中耳炎が治らずにご苦労されるお子様でも、耳管の発達に伴って大半の場合で小学校の高学年頃には改善していくと言われています。
ただし、稀に鼓膜が癒着したり、鼓膜に穴が開いたままになることもありますので、安易に放置せず、かかりつけの耳鼻科医で定期的に経過を診てもらうことが大切です。
- 肺炎球菌ワクチンやHibワクチンを打つと中耳炎予防になるのでしょうか?
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肺炎球菌は中耳炎の主要原因菌の1つであるため、肺炎球菌ワクチンに関しては海外でワクチン接種により中耳炎が数%減少したという報告があります。
いずれの予防接種も現在は公費で受けられるため、中耳炎の予防も含めて、かかりつけの小児科で接種されることをお勧め致します。
- 痛みがなくなったのですが、薬は続けて飲まないといけませんか?
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中耳炎治療で一番困るのが「痛みがなくなったので治療(お薬の服用)を止めてしまうこと」です。痛みが治まっても原因菌が完全になくなったとは限りません。 また、痛みの出る急性中耳炎の後で、滲出性中耳炎に移行するパターンが多い為、痛みが無くなっても処方されてお薬は必ず飲み切って頂いた上で耳鼻咽喉科を受診して、医師の診断を受けるようにしてください。