その他の中耳炎
癒着性中耳炎
癒着性中耳炎とは?
中耳は鼻と耳をつなぐ耳管でつながっていますが、その耳管の働きが悪くなり、鼓膜が奥に凹んで奥の中耳の壁にべったりと張り付いてしまうのが癒着性中耳炎です。
鼓膜が張り付いて振動しないため、音を聞いても認識しづらくなり、強い難聴が生じます。
癒着性中耳炎の治療
聴力がさほど悪くない場合は定期的に検査をおこなって経過観察を行います。
聴力が悪い場合には病院へ紹介を行い鼓膜を張り替える「鼓膜形成術」や、さらに奥の鼓室の再建を行う「鼓室形成術」と呼ばれる手術をお勧めすることになります。
真珠腫性中耳炎
真珠腫性中耳炎とは?
繰り返す急性中耳炎や、慢性中耳炎の更なる悪化によって、 鼓膜の組織の一部分が中耳(鼓膜のさらに奥)に入り込み、 細かな袋状となって、そこに白いカス(鼓膜の表皮)が溜まります。
この白いカス(表皮)が増殖すると厄介なことに中耳の周りの骨を溶かし、袋を次第に広げていく病気です。
骨の破壊が聴神経や内耳に影響を及ぼし、難聴やめまい、顔面神経麻痺など様々な疾患を引き起こします。
真珠腫瘍性中耳炎の治療
基本的には手術(鼓室形成術)をお勧めしていますが、年齢を考慮した上での検討となります。
ご高齢の方には無理をしてお勧めしない場合もあります。
手術を望まれない場合や、耳だれや溜まっていく真珠のような塊を通院して頂き、丹念に除去清掃することによって手術をせずに コントロールできる例もあります。
聴力悪化がないことを確かめながら定期的に観察していく必要があります。
航空性中耳炎
航空性中耳炎とは?
エレベーターで耳が一時的につまることがあると思いますが、唾を飲みこんだり、顎を動かしたり、あるいはある程度時間が経てばそのつまり感(耳閉感)は収まると思います。
飛行機はより高い高度に上昇するため、つまってしまった場合に唾を飲みこむなどしてもつまり感が治まらない場合があります。
これを航空性中耳炎といいます。
特に、風邪をひいたり、急性中耳炎や滲出性中耳炎などで耳管の働きが悪くなっているような時に飛行機に乗ると起こりやすくなります。
程度によってはつまり感だけでなく、痛みや耳鳴りなどが強くなるケースも。
特に下降時、次いで上昇時に起こりやすく、圧力差から鼓膜に穴が開くこともあります。
航空性中耳炎の治療法
- 飛行機に乗った後で耳に痛みを感じる
- 詰まった感じがする
- 聞こえにくい
上記のような場合には
鼓膜を観察した上で検査を行い、原因が航空性中耳炎だけの場合であれば急性中耳炎に準じて治療を行います。
以後、頻繁に航空性中耳炎になりやすい人がいらっしゃるため、必要に応じて専用の耳栓を飛行機搭乗時には付けて頂くことをお勧めしています。
何回も繰り返す方は耳管機能の改善を期待する為
通気をしたり耳管に薬剤を注入したり、服薬してもらったりしています。
鼻疾患のある方には
飛行機搭乗前に使って頂くための点鼻薬を投与したり飲み薬を疾患に応じて処方致します。
機内では飴をなめて頂くことをお勧めしています。
風邪をひいている場合にはなるべく飛行機は控えるようにすると良いでしょう。