非特異的減感作療法:ヒスタグロビン注射
ヒスタグロビン注射とは
アレルギーに対する治療法の一つで非特異的減感作療法と言われ、特定のアレルギー物質(スギ花粉やダニエキス)を体内に取り入れる舌下免疫療法とは異なり、スギ花粉やダニ、ハウスダストといったすべてのアレルギー疾患から体質を改善する根本治療です。
アレルギー・花粉症の症状であるくしゃみや鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどは、アレルギー物質(スギ花粉・ダニ・ハウスダストなど)が引き金となり、体内からヒスタミンという物質が放出されることによって引き起こされます。アレルギー反応を抑制する生体物質であるヒスタグロビンを定期的に(6回1クール)皮下注射することで、体内でアレルギー反応が起こり、ヒスタミンが生成されても抗体ができておりアレルギー反応を弱めることができます。季節性のアレルギーをお持ちの方を始め通年性のアレルギーをお持ちの方にも有効な治療法です。
昭和42年に国内で発売されたヒスタグロビンは、国内の献血血液から製造されていますが、今まで一度も感染症をおこしたことの無い安全性の高い治療薬です。これらの説明も受けていただき、ご納得頂いた方に治療を行っています。
治療開始からの流れ
週2回のヒスタグロビンの皮下注射を行い、合計6回を1クールとします。最初の1クールで効果が現れる方は一旦様子をみますが、効果があまり得られない方や効果が持続しない方は必要に応じて2クール目の治療を行います。花粉症の症状が出ている時もスギ花粉やイネ科の花粉に悩まれている方は1月から、ブタクサなど秋の花粉に悩まれている方は7月から治療を開始されるのをおすすめ致します。
ヒスタグロビン注射おすすめ治療開始時期

ヒスタグロビン注射の効果と副作用
効果
くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなど体内でアレルギー反応が起こってもヒスタミンに対する抵抗力をつける効果があります。ただし効果には個人差があり、治療した全ての方に同じ効果があるというわけではありません。
副作用
眠気、めまい、頭痛、嘔吐といった副作用が稀に起こることがあります。
ヒスタグロビン注射を実施できない方
- 症状を悪化させる恐れがあるため、喘息の激しい発作がある方
- 体力の低下が激しく、衰弱している方
- 月経前、月経中の方
- 妊娠中の方
花粉症でヒスタグロビン注射をお考えの方はシーズンが始まる1ヶ月ほど前に始められることをおすすめ致します。