扁桃炎・扁桃肥大・扁桃周囲炎
扁桃腺とはどこにあってどんなものなんですか?
扁桃は鼻の奥(咽頭扁桃)、舌の付け根(舌根扁桃)などにもありますが、一般的に知られているものは口蓋垂(俗に言う「のどちんこ」)の両脇のくるみのような形の部分=「口蓋扁桃」を指します。 人によって大きさ、形は様々ですが、表面がでこぼこしており、呼吸により体内に入ってくる空気中のウイルスや病原菌を吸着しては無害化し、体内深部への侵入を防ぐ、リンパ組織が集まってできた免疫器官です。
それぞれの病気の症状と治療法を教えてください。
扁桃炎
症状
発熱、咽頭痛、痛みと熱が主な症状です。
もともと扁桃腺が大きい方が扁桃炎になると、呼吸困難やいびき、ご飯が食べにくい、といった症状もあらわれます。
症状がひどいと、扁桃周囲炎や扁桃周囲膿瘍(扁桃のまわりにウミが溜まる)に発展する場合もあります。
治療法
通常は抗生物質や鎮痛剤の服用により、快方に向かいますが、上記の症状が強い場合には抗生物質の点滴治療を行う場合もあります。
また、繰り返す扁桃炎の場合には手術をお勧めする場合もあります。
高度の周囲膿瘍(扁桃のまわりにウミが溜まる)になった場合は、メスでウミを排出する治療を院内でおこなう場合もあります。
扁桃肥大
症状
一般的にはのどちんこの両側にある口蓋扁桃が大きく肥大していることを指します。いびきや摂食障害や呼吸困難の原因となりますが、そのような症状が無い場合には経過観察します。
治療
肥大の程度が強く、上記の症状が起こる場合には手術をおこなう病院を紹介させて頂きます。(扁桃を摘出します。)
扁桃周囲炎】
症状
急性扁桃炎の後に扁桃腺の周囲にまで炎症が発生し、咽喉の痛み(激痛)を起こします。これが発展すると周囲膿瘍になる場合もあります。
高度の周囲膿瘍になった場合は、メスで切開排膿(膿を出す)をする場合もあります。
扁桃腺は取ってしまっても大丈夫なんでしょうか?
もちろん最初からあった体の一部なので、ご心配されることもあるかと思います。
扁桃腺は6歳からは免疫機能との関わりが無い為に、扁桃腺切除による影響は無いと考えられています。
呼吸困難やいびきがひどい場合、(睡眠時無呼吸が強い場合には)2~3歳であっても切除する場合があります。